2024年10月8日Blog

スポットライト: パスカリナ、シニアアジャイルコーチ、Arene

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⚑ 東京, 日本

航空機業界から自動車業界へ、そして現場ウォークから代々木での散歩まで、パスカリナのウーブン・バイ・トヨタへの道のりは、大胆な変革と絶え間ない学びの物語です。彼女は、車両シミュレーションおよび検証プラットフォームの開発に携わるチームの様子を垣間見せてくれるだけでなく、ウーブン・バイ・トヨタとトヨタが共有する文化や価値観についても貴重な洞察を共有してくれました。

Q: まず最初に、あなたはArene OS (以下、Arene)の検証プラットフォームチームの一員です。具体的にどのようなことをしているのでしょうか?

ダミー人形を使った衝突試験をみたことはありますか? 安全性をテストするには不可欠ですが、非常に時間とコストがかかることは想像できると思います。特に、現代の自動車は多くの複雑なソフトウェアに依存しており、これらのテストはさらに複雑になります。Areneのバリデーションプラットフォームでは、このようなシナリオテストや、トヨタ車のソフトウェアシステムのテストを仮想環境で行えるようにします。従来では週単位でかかっていたテストも、このプラットフォームを使えば期間を削減できます。

その仕組みは、車両のさまざまなコンポーネントやECU(電子制御ユニット)を仮想化し、多様な運転シナリオや環境条件をシミュレートすることで、異なるソフトウェアコンポーネントと車両のハードウェアがどのように相互作用するかをチェックするというものです。そして、継続的な検証サイクルを実行し、データを分析し、エンジニアリングスプリントで検出された問題を洗い直すことで、将来のトヨタ車をより徹底的に改善することができます。これらはAreneプラットフォームの全体の一部に過ぎず、最終的にはトヨタがソフトウェアを通じて日々車両の改善を支援できるように設計されています。

Arene BBQ

Q: どのようにして、日本でこの仕事に就くことになったのですか?

実は、この仕事をきっかけに海外から日本に移住しました!ちなみに、私はドイツ人なのですが、日本に来るのはこの時が初めてでした。それまではスイスに、その前はドイツに住んでいて、航空会社で働いていました。アジアに移住することにはずっと興味があったのですが、なかなか良い機会がありませんでした。そんな中、LinkedInでこの仕事を見つけて、経験を積むためにも挑戦しなければと思い、2020年7月に思い切って転職しました。実は、今日でちょうど2周年を迎えました!

Q: 2周年おめでとうございます!これまでの経験をどのように感じていますか?

ありがとうございます! 当初は、どんなことが起きるか想像もつきませんでした。 でも、2年経った今となっては、他のことを想像するが難しいくらいです。ここウーブン・バイ・トヨタと日本での生活が本当に大好きになりました。 新しい業界、新しい国に来ることは、間違いなく大きな環境の変化でした。 でも、この会社が成長していく中で、さまざまな場所や業界から多くの人々が集まり、進化していく過程に携わることができるのは最高の経験です。そして、東京は素晴らしい街なので、好きにならなずにはいられないですね!…ただ、夏の暑さを除いては。

Exploring Nikko during Autumn

Q: 業界を転向して、最も興味深かったことは何ですか?

もちろん違いはありますが、自分が関わった製品が空に飛んでいたり、道路を走っていたりするのを見るのは素晴らしいことだと思います。自分の仕事が「実社会」で形になっているのを目にすることは、本当にやりがいを感じます。自動車業界において特に大きな違いだと感じるのは、市場に製品が出るまでのサイクルが速いことです。これにより、お客様のニーズ、要望、期待に迅速に対応したり、それを基に製品を作り上げる機会が多くなります。そして、すでに素晴らしい評判を持つトヨタのような企業で、その評判をさらに強化するためにソフトウェアを通じて貢献できるというのは、本当にワクワクします。

Q: 他の業界から転職してきたのは、あなただけではないですよね?

そうなんです!実際、様々な業界出身の人がウーブン・バイ・トヨタにはたくさんいます。リーダー陣も、皆が自動車業界に長年携わってきた人ばかりとは限りません。でも、だからこそ彼らはウーブン・バイ・トヨタに来たんです。他業界の知見や専門性を活かして、トヨタの車作りをさらに発展させ、より良くしていくためにここに来たんです。

Joining Nihonbashi Mikoshi Matsuri

Q: 過去2年間を振り返って、特に印象に残っていることは何ですか?

私が立ち上げに携わった「現場ウォーク」という取り組みでしょう。「現場」とは「実際の場所」や「実際の作業が行われ価値が加えられる場所」を意味します。この取り組みでは、ウーブン・バイ・トヨタのAreneのメンバーとトヨタのメンバーがそれぞれのチームを訪問し、対話と相互理解の機会を増やすことを目的としています。コミュニケーションと共感は、優れた最終製品を生み出す上で非常に重要な要素です。私たちの「現場ウォーク」では、最前線で働く人々とのつながりをさらに深める貴重な機会を与えてくれます。

私たちのチームでよく話すのは、お客様の視点に立つことの重要性です。そのため、トヨタの同僚が日々どのように働いているかを深く学ぶことは、価値あるソフトウェアを作るために非常に重要です。また、彼らが私たちのもとを訪れることで、Areneの可能性について新たな発見をしていただけることもあります。こうした「現場ウォーク」は、私にとっていつも印象的な経験となっています。

Q: ウーブン・バイ・トヨタとトヨタの共通点は何でしょうか?

たくさんありますが、一番の共通点は「オープンさ」だと思います。フィードバックにとてもオープンです。私を含め、多くの人にとって、フィードバックを与えたり受け取ったりするのは簡単なことではありません。しかし、ウーブン・バイ・トヨタやトヨタの同僚と話すと、彼らは常にフィードバックを与えたり受け取ったりすることに非常にオープンであると感じます。私たちが「現場ウォーク」を行うと、みんなが「どんな課題を感じましたか?」や「X、Y、Zを改善するために何か提案はありますか?」と質問してきます。このような謙虚さと素直さ、そして「カイゼン」に対するマインドセットは、両社で共通していて、とても特別だと感じます。

Q: パスカリナさんの今後の予定は?

現在、トヨタおよびその次世代車両に向けた大きなマイルストーンに向けて取り組んでいます。そのため、私たちの製品やチームの協力の仕方をカイゼンし続けて、トヨタがさらなる成長を遂げるためのプラットフォームを構築できることを楽しみにしています。さらに、Areneで成功裏に立ち上げた「現場ウォーク」の取り組みを、ウーブン・バイ・トヨタ全体で活用できる定期的なプログラムにしていきたいと考えています。

また、日本橋のオフィス以外でも、日本をさらに探索していきたいと思っています。これまでに、沖縄のビーチから日本アルプスまで、多くの場所を訪れることができました。また、寺社仏閣でいただく「御朱印」(個々の神社やお寺のトレードマーク)を集めた「御朱印帳」も引き続き集めていきたいと思っています。ただ、日本の夏の暑さの中で回るのは避けたいです!

また、日本語の勉強も続けています。目標は、字幕なしでアニメを見ることなので、少しずつですが、その目標に向かって努力しています。言うは易し、行うは難しですが、周りの環境が助けになっています。これからも、ワクワクするようなことがたくさんあると思います!

Universal Studios Osaka with new anime attractions