2024年3月8日Blog

スポットライト:ミランダ、フリートラーニングエンジニアリングマネージャー、AD/ADAS

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⚑ ロンドン, イギリス

「カットイン」に隠された複雑なデータを分析し、ロンドンでハーフマラソンを走り、「現地現物」に参加するミランダ。AD/ADASチームの一員として、彼女のエンジニアリングの世界を紹介し、女性がより力を発揮し、活躍できるようにするために企業は何に投資すべきかについての考えを語ってくれました。

Q:「フリートラーニング」での役割について教えていただけますか?

私たちにとってはデータが全てです。私は4人の素晴らしいエンジニアが集まったチームを率いており、将来のトヨタ車をよりスマートで安全なものにするために、「フリート」からデータを収集しています。私たちのAPIは、機械学習モデルによって取り込まれた特定の行動データを表面化し、私たちのAD/ADASシステムが継続的に学習し、改善するようにしています。

今、私たちが注目しているのは「カットイン」、つまり急にクルマが合流するような状況です。私たちはアメリカの同僚と協力しながら、大量の「カットイン」シナリオを収集中で、膨大なデータセットからカットインを特定するため、従来の方法と機械学習の方法を駆使しています。 そして運転アルゴリズムは、私のチームが発見したカットインやその他の行動の事例を利用して、ドライバーの安全性と快適性を最大化するような反応を学習します。

Q:自動運転・先進運転支援システム技術(AD/ADAS)における「データ」について、最も面白いと思うことは何ですか?

それは2つの部分、つまり複雑さと多様さだと思います。この分野のデータに関しては、正しい答えやアプローチは一つではありません。

例として「カットイン」を挙げましょう。人間はビデオの中で「カットイン」を簡単に見分けることができますが、機械にとってはそれほど簡単ではありません。「カットイン」を定義するすべての微妙な違いを見分けるために、最適なデータ形式、ロジック、ソフトウェアアーキテクチャを設計することは非常に難しいことです。私たちが収集する多様なデータ、さまざまな運転条件を考慮すると、このタスクはさらに面白くなってきます。

さらに、私たちのデータの川下にはさまざまな消費者がおり、彼らはそれぞれ異なる要件を持っています。現在、Woven by Toyotaでは、これらの多様なユースケースに対応できるプラットフォームとAPIを設計しています。 将来的には、私たちのシステムが収集・生成するデータに対して異なるニーズや期待を持つ、トヨタ自動車、提携するトヨタグループ各社、他のOEM、規制機関、都市計画者などにも提供することになるでしょう。そして難題は、スケーラビリティ、プライバシー、セキュリティを妥協することなく、多様な要件に対応できる柔軟な製品を生み出すことにあります。それに加えて、異なるシステム間の相互運用性や将来的なテクノロジーとの互換性を確保することは、さらに複雑さを増すことになります。このような複雑性への挑戦もまた、この仕事を面白くしている大きな要素です。

Q:これまでの経験の中から、印象に残っている瞬間や思い出はありますか?

ロンドンのチームがカリフォルニア州パロアルトのオフィスで行った「現地現物」が印象に残っています。現地現物とは、文字通り「自分の目で確かめに行く」という日本のコンセプトであり、まさにそれを実践するための社内ライブ・デモンストレーションの場でもあります。これは単に進捗状況を見せる場というだけではなく、エンジニアのチームが一堂に会し、問題の根源を突き止め、より迅速かつ効率的に解決することができるのです。内容は機密ですが、私はこのイベントに招待され、プレゼンをする機会に恵まれました。私がこれまで在籍してきた他の企業(買収された企業)と比べて、ウーブン・バイ・トヨタで見た大きな違いのひとつは、安全性と品質に関してあらゆる面で保証されていることを確認することに重点を置いていることだと思います。

スタンフォード大学の象徴的なフーバータワーの前に立つミランダ。白いシャツと黒いスカートを着ており、空には点在する雲があります。木々と緑が周囲にあり、鮮やかな光景を作り出しています。

Q:仕事以外ではどのようにリラックスしていますか?

ロンドンの劇場に行くのは本当に楽しいです。お気に入りは『ブック・オブ・モルモン』と『ハミルトン』。ロンドンでは選択肢が豊富で、常に新しいものが観られるし、また観たくなるような素晴らしいものがあります。朝、仕事の前にはジムにも行きますね。実は、11月に走った初めてのハーフマラソンのトレーニングもそこでしていたんですよ!

Q:おめでとうございます!この調子でまた続けていくつもりですか?

2024年にまたハーフマラソンに出たいと思っていて、目標はより速いタイムを出すこと。ロンドンにいる私の同僚がマラソンをやっていて、このハーフマラソンに参加するきっかけを作ってくれたんです。こうゆうことって、一緒に行動してくれたり背中を押してくれる人がそばにいると簡単にできますよね。次回はロンドン・オフィスからもっと人を集めようと思っているのですが...。

Q:トレーニングを続けるためのモチベーションをどこからきていますか?

「毎日1%だけでも良くなるように頑張りなさい。時間の経過とともに、それは積み重なり、素晴らしいものになります」という表現が好きです。時間をかけて大きな成果を得るためには、小さな積み重ねが大切だということを強調しているからです。この言葉は、ハーフマラソンのトレーニングだけでなく、技術的なスキルにも当てはまると思います。

最初は、できないことやわからないことばかり...それに圧倒されて、なかなか始められないかもしれない。でも、最初の一歩だけに集中して、それを踏み出して、次の一歩、そのまた次の一歩......と、すべてがつながって、いつの間にか当初の目標が実現可能に感じられるようになる。それこそが成長だと思うんです。

ミランダはロンドンの公園にある大きな抽象的な金属彫刻の横で笑っています。彫刻は曲がった錆色の金属板で構成されています。公園には緑豊かな芝生、大きな木々、そして背景には他の人々がいます。空は晴れていて日差しが明るいです。

Q:「成長」といえば、今年の国際女性デーのテーマは「女性への投資。成長を加速させよう」です。企業が女性の成長と成功のために投資するチャンスはどのようなものがあると思いますか?

リーダーの役割を担う女性を増やすことだと私は思います。テック業界や自動車業界では、注目される役割に就いている女性はまだ多くありません。そのため、これらの業界の企業は、女性の出世を奨励・支援するプログラムやイニシアチブを優先する必要があります。

成長のための公式な手段を設けるだけでなく、メンターシップやネットワーキングの機会に投資することも重要です。意欲的な女性リーダーには、成功に必要な指導をしてくれるメンターとペアを組む必要があります。また、外部の会議やネットワーキング・イベントへの参加を後援することで、重要な人脈を築く手助けをすることができるのです。

Q:技術/自動車業界でのキャリアを目指す女性に、何かひとつアドバイスをするとしたら何ですか?

偏見に惑わされずに、技術業界でのキャリアを追求してほしいです。メンターや協力的なコミュニティを探しましょう。イノベーションと進歩には多様性とインクルージョンが不可欠であり、あなたのユニークな視点と貢献が前向きな変化をもたらすことを忘れないでほしいです。

「ミランダ」と書かれた小さな看板が付いた交通信号の下の街角に立つミランダ。背景には黄色いスクールバスを含む車両が信号待ちをしています。緑の木々と道路標識が晴れた青空の下に見えます。