⚑ パロアルト、カリフォルニア、米国
Jeff は Vehicle Perception 内で、オドメトリおよびローカライゼーションを担当するチームを率いています。このチームは、最先端のセンサーから得られる信号を活用し、車両の正確な位置や動きを理解できるようにすることを目的としています。Jeff は、現在開発中の基盤となる運転支援・自動運転機能について紹介するとともに、Woven by Toyota が重視する協業とものづくりの考え方が、安心できる運転体験を実現するための取り組みをどうまとめていっているのかを語ります。
Q: どのような技術の開発をしていますか?
私たちは、自動運転機能を将来に向けて段階的に拡張していくことを見据えて、技術開発を進めています。その中で、私のチームの役割をひと言で表すと、「車の現在地は?」という問いに答えることです。この問いには、大きく分けて二つのアプローチがあります。
一つ目は、相対的な位置の把握です。たとえば「直前にいた場所に対して、今どこにいるのか」、「どのように動いているのか」、「どれぐらいの速さで走行しているのか」といった情報を推定します。これを担っているのが、オドメトリの仕組みです。
もう一つのアプローチは、「地図上のどこにいるのか?」ということです。地図情報を用いて、現在走行している道路の制限速度や、目的地までのルート上のどの位置にいるのかといった情報を把握し、車両が周囲の環境について推定している他の構造的な情報をどのように補完・強化できるかを考えています。
Q: この分野でのキャリアを始めたきっかけは何でしたか?
私は昔から数学が好きでした。エンジニアリングは、数学と現実世界の課題を理解可能な「実体のあるもの」として結びつけてくれる手段だと感じています。
また、センサーデータを扱う仕事が好きなのは、センサーが、地表からの光の強度、加速度や角速度といった慣性信号、さらには宇宙空間にある衛星群に対する相対的な位置情報など、現実世界の情報を“魔法のように”取得してくれるからです。こうした多様な信号を組み合わせて統合することで、アルゴリズムにとって意味のある情報を生み出せる点に、大きな魅力を感じています。
Q: ウーブン・バイ・トヨタのカルチャーは日々の業務の進め方にどのような影響を与えていますか?
トヨタは、安全性とものづくりの精神を大切にしています。それは、この技術を社会に展開していくうえで、私自身が大切にしている姿勢とも強く重なっています。
私たちは、あらゆる取り組みにおいて、慎重であること、そして一つひとつの判断を丁寧に積み重ねていくことを重視しています。
「トヨタは、安全性とものづくりの精神を大切にしています。それは、この技術を社会に展開していくうえで、私自身が大切にしている姿勢とも強く重なっています。」
Q: トヨタのエコシステムで開発に取り組むというのは、どういう環境ですか?
トヨタは非常に規模が大きく、複雑な組織です。私たちが担っているのは、ひとつの巨大なプロダクションプラットフォーム全体ではなく、その中の一部分であり、ほかにも数多くのチームがそれぞれの役割を担っています。
だからこそ、それぞれのチームがどのように関わり合い、全体として機能しているのかを理解し、どう統合していくかを考えることが重要になります。これは、一人でソフトウェアを書くこととは全く違うエンジニアリングのスキルセットだと感じています。
Q: AI を活用することで、AD/ADAS システムはどのように進化しているのでしょうか?
車両が安全な判断を行うため(車線の中央を正確に走行したりする)には、まず「車線がどこにあるのか」を正しく把握する必要があります。従来の自動運転システムでは、車線の形状や接続関係(トポロジー)、どの車線をどの信号機が制御しているのか、一時停止標識の位置、交差点をまたいだ車線同士のつながりなど、非常に多くの情報が HD マップに埋め込まれてきました。こうした情報が HD マップに含まれてきたのは、地図を作ること自体が目的だったからではなく、これらが極めて把握する難易度の高いシーン理解の課題だからです。
これまでは、まずジオメトリックな地図を作成し、それを人手によるアノテーションに回し、車線や信号機の位置、さらにそれらがどのように車線と対応しているのかを一つひとつ書き込む、という手法が取られてきました。
しかし、ここ数年の機械学習や AI の急速な進化により、こうした問題を走行中にオンラインで解くことが現実的になってきています。その結果、マップを常に最新の状態に保ち続けたり、あらゆる場所で事前に地図を構築したりする必要はなくなりました。これは、私たちが成し遂げてきた成果の中でも特に重要な転換点の一つだと感じています。
Q:あなたのチームにとっての「良い仲間」とは何ですか?
私はものをつくることが好きで、その想いからエンジニアになりました。数学やデータを使って、実際に何かを動かすものを生み出したい。それが、私がエンジニアとしてものづくりに向き合う原点です。同時に、人と一緒に働くことにも大きな価値を感じています。より良いチームであるからこそ、より良いシステムをつくることができると考えています。
「面白いシステムをつくりたい」という強い想いと、それをチームの一員として形にしていきたいという姿勢、この二つを持っている方にきていただきたいと思っています。