2020年7月28日News

トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社、 持株会社ウーブン・プラネット・ホールディングス および事業会社ウーブン・コア、ウーブン・アルファの新体制に移行

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既存の枠を超え、大胆な変革、新たな価値提供を加速

トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社(本社:東京都中央区、CEO:ジェームス・カフナー、以下「TRI-AD」)は、事業をさらに拡大・発展させるため、2021年1月、持株会社ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社(以下「ウーブン・プラネット・ホールディングス」)および事業会社ウーブン・コア株式会社(以下「ウーブン・コア」)、ウーブン・アルファ株式会社(以下「ウーブン・アルファ」)の新体制へ移行します。ウーブン・プラネット・ホールディングスの下、ウーブン・コアは自動運転技術の開発、実装、市場導入を担い、ウーブン・アルファはWoven City(ウーブン・シティ)、Arene(アリーン)※1、Automated Mapping Platform※2(以下「AMP」)など、既存のトヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」)の事業領域を超えた新たな価値を創造する事業機会を探索し、革新的なプロジェクトを立ち上げ推進します。

背景

TRI-ADは自動運転技術の実用化に向けた高品質なソフトウェアを提供するため、2018年3月、日本橋に設立されました。ビジョンとして「Mobility to Love, Safety to Live」を、またミッションとして「世界で最も安全なモビリティを様々なお客様へお届けする」を掲げています。

設立以来、上記ビジョンおよびミッションを達成するため、トヨタ独自の自動運転の考え方「Mobility Teammate Concept※3」に基づく最新の高度運転支援技術「Teammate※4」の開発を主導するなど、大きな成果をあげてきました。次のステージへ向けて、当社がめざす「人」、「モノ」、「情報」のモビリティを全てのお客様に届けるためには、さらなる事業の拡大・発展が必要です。

当社のソフトウェア開発能力を効率的かつ効果的に強化し、自動運転、安全技術、モビリティ、Woven Cityを通じて新たな価値を生み出し続けるために、ウーブン・プラネット・ホールディングス グループはよりアジャイルな「ソフトウェアファースト」の開発プロセスおよびSoftware Defined Architecture(ソフトウェア定義アーキテクチャ)※5 に注力していきます。

詳細

ウーブン・プラネット・ホールディングスの組織図

  • ウーブン・プラネット・ホールディングスはグループ全体に対する戦略的意思決定、パートナーとの協業拡大、新事業機会の創出および事業会社に対するシェアドサービスの提供を行う

  • ウーブン・コアはトヨタグループの自動運転技術の開発を引き続き担い、自動運転技術の開発、実装、市場導入・普及を通じてさらなる価値の提供をめざす

  • ウーブン・アルファはWoven City、Arene、AMP などの新領域に対する事業拡大の機会を探索し、革新的なプロジェクトを立ち上げ、推進する

 

① 持株会社

② 事業会社

② 事業会社

社名

(新設) ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社 Woven Planet Holdings, Inc.

(社名変更) ウーブン・コア株式会社 Woven Core, Inc.

(新設) ウーブン・アルファ株式会社 Woven Alpha, Inc.

所在地

東京

東京

東京

事業内容

グループ全体に対する戦略的意思決定、シェアドサービス提供、新事業開発 等

自動運転技術の開発、実装、市場導入・普及

Woven City、Arene、AMPなどの新領域における事業拡大機会の探索、革新的なプロジェクトの立ち上げ、推進

代表取締役(発足時)

ジェームス・カフナー

ジェームス・カフナー

ジェームス・カフナー

資本金 (2021年1月時点)

200億円(予定)

5000万円(予定)

1億円(予定)

事業開始期

2021年1月(予定)

2021年1月(予定)

2021年1月(予定)

TRI-AD CEO ジェームス・カフナーのコメント

トヨタの豊田章男社長が2年前に発表したモビリティカンパニーへの変革のためには、トヨタが持つハードウェアの強みに加えて優れたソフトウェアが必要です。

TRI-ADは2018年3月、トヨタ、デンソー、アイシンの共同出資により設立され、トヨタのソフトウェア開発力を結集・強化し、自動運転および高度安全支援の技術開発を進めてきました。この2年間で素晴らしい仲間に恵まれ、戦略的パートナーシップを結び、トヨタグループの力強い支援を受け、大きな成果をあげてきました。これにより、最先端のソフトウェア開発力のさらなる強化を実現しました。

TRI-ADは次のステージに進み、比類のない成長、スピード、品質を達成することが未来へ繋がると考えています。新体制の下に私たちの力を合わせ、人、テクノロジー、インフラストラクチャー、経営に必要な要素を備えることにより、ビジョンである「Mobility to Love, Safety to Live」を実現できると確信しています。

私たちは全てのステークホルダーおよびパートナーの皆様と切磋琢磨しながら、多くの新しい価値、テクノロジー、製品を迅速に生み出し、トヨタが強みとする規模の力を活用して未来のモビリティを動かすソフトウェアおよびサービスを実現します。

TRI-AD会社組織変更に向けた豊田章男社長コメント

「もっと幸せな未来の社会を実現していくための実証実験都市“Woven City”」を年初に発表しました。

今回、TRI-ADは新たな3社に生まれ変わり、3社すべてに「Woven」という名前がつけられます。

「Woven」は日本語で「織り込まれた」という意味です。新しい町につくられる“編み込まれたように交差する道”から想起した意味もありますが、この言葉にはもう一つ大きな想いが込められています。

我々、トヨタ自動車のルーツは織物を編む自動織機の発明にありました。トヨタ自動車をつくった“創業者豊田喜一郎”の父である豊田佐吉の発明です。佐吉は苦労する母親の姿を見て、「母を楽にさせたい」と想い自動織機を発明しました。

そして、その息子の喜一郎は「国産車で日本を豊かにしたい」という一心でクルマをつくりました。 我々のルーツには「誰かを喜ばせたい」「誰かに幸せになって欲しい」という想いがあります。

未来に向けた実証実験都市に“Woven”と名付けたのも、そうした「他の誰かのために」という想いを、未来をつくっていくこれからも忘れずにいたいと考えたからです。

そんな“トヨタが描く未来”を実現する役割を担って、2年前にスタートしたのがTRI-AD でした。そのTRI-ADが、今回、“Woven”の名を冠して、「他の誰かの幸せのために」という思いをさらに強めて、新たなスタートを切ります。

“Planet”は“City”を遥かに超えた規模の“惑星”という意味を持ちます。ホールディング会社「Woven Planet Holdings」は、今までよりも、もっと大きな視点で“未来の幸せ”を考えていきます。

「Woven Core」は、そのコアとなる自動運転など、新たなモビリティに必要な技術の実現を担っていきます。

“Alpha”には“未知”や“計り知れない”といった意味があると思います。「Woven Alpha」は、Woven City など、もっと先の未来を実現するための研究開発を担っていきます。

TRI-AD は“Woven”の名の下に、人々がもっと幸せになれる未来の実現に向けて、さらにアクセルを踏み込める体制に生まれ変わっていきます。

Woven Planet、Woven Core、Woven Alpha、あえてトヨタの名前を外して立ち上がる3社です。

しかし、トヨタが本当に大切に紡いできた「誰かの幸せのために」という想いを“Woven”という言葉に載せて引き継ぎ、新たにトヨタの未来を切り拓いていくための会社です。

注釈

※1 Arene(アリーン):プログラム可能なクルマづくりを目標として、TRI-ADが開発するオープンなプラットフォーム。クルマの安全性に必要な要素やAPIを包括し、コンセプトから実装までのスピーディな開発を繰り返し行うことができる。また、開発者やOEM企業は高い安全性とセキュリティを維持しながら、ソフトウェアをアジャイルな方法で継続的にアップデートすることが可能になる。

※2 Automated Mapping Platform(AMP):様々な企業から自動運転車両のデータを共有してもらい、高精度の地図を作成、共有するオープンなソフトウェアプラットフォーム。

※3 Mobility Teammate Concept:人とクルマが同じ目的で、ある時は見守り、ある時は助け合う、気持ちが通った仲間(パートナー)のような関係を築くトヨタ独自の自動運転の考え方。

※4 Teammate:自動車専用道路における高度運転支援技術。実際の交通状況、ドライバーの状態を元に認知、判断、操作をサポートし、周辺認識、自車位置推定、走行車線・位置選択、速度調整などを行いながら出口までの安全な運転支援を行う。

※5 Software Defined Architecture(ソフトウェア定義アーキテクチャ):アプリケーションサービスのための、ソフトウェアで定義されたアーキテクチャ。これにより、アプリケーションサービス、ソフトウェアの機能拡張が容易になるとともに、時代の進化に応じたハードウェア設計が可能となり、アジリティの高い価値提供を実現する。